うな記

若者の感傷

百合と可能世界

「東大法B3の女と慶應情報工学科のM1の女のカップルがいるとするじゃん、というかいるんだけど、だってこの世界にいなくても可能世界にはいるじゃんぜったい、可能世界だから、可能なんだよね、やばくない?やばい。いるんだよね、で、いるならいるでディテールがあるわけじゃん、現実だから、多分なんかのITベンチャーの夏季インターンとかで最初知り合うんだよね、でそこそこまあLINEぐらいは知りにいくかみたいな、でそこからなんで付き合うとこまでなんで行くかわかんなくて、考えたんだけど、多分創作百合の即売会とかで再会するんだよね、まじかーー、お互い作家で出してる、向こうは小説なんだけど、みたいな。で、まあいろいろあってみたいな、で気づいたんだけど、可能世界にはこういう経歴をたどるカップルが絶対いるんだよね、もちろんこの世界にいる可能性も棄却できないけどさ、わかんないじゃん、観測してないし、でもすくなくとも可能世界には絶対いるんだよね、怖くない?怖い。だって可能世界じゃん、ぜったいいるよ。いるいる。ぜったいいるんだよね、可能世界やべーーーっていう、どう思う?」

「可能世界についてその立場をとる哲学者は少数派だと思う、それこそデイヴィド・ルイスぐらい」

「そうか」

「うん」