うな記

若者の感傷

重力の虹を読みおえる

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)

読みおえたというよりいつの間にかおえてしまった…という感じが強い。最後の方は時間の感覚もなくなってバラバラになっておわるというのもある。 2014年に出てすぐ買ったから6年越しの読了だ。2度読めばわかるということだからいつか読むことになるのだろう。 しかしピンチョンほどカウンターカルチャーへの信頼をおけないな……

金曜日休んだので、代わりに大学に行く。 当たり前のようにセンター試験が行われている。門で学生証を出して入構。受験生っぽい人がちらほらいる。 どんな優秀な教員でもセンター業務をやらされていると思うと社会主義っぽくておもしろい。

生まれつき美人に見せる

生まれつき美人に見せる

CHICCAって人気だったんだなあと思って読む。著者はCHICCAの元ブランドクリエイターでメイクアップアーティスト。ヒラリー・クリントンにもメイクしたことがあるらしい。で、結構おもしろい。悪いところをそのままアクセントにして良いところをメイクで伸ばすのが鉄則とか、髪型は顔の額縁でしかないとか、眉は一本抜くだけで整形ぐらいの力があるとか。ルールベースで大事なことがビシバシ書いてあるので2015年の本とは言えど古びていないのだろうなと思わされる。 なかでも、頰の色味はセックスの後ぐらいの感じが一番魅力的な色気が出るという指摘は、言われてみれば当たり前なんだけれども、なかなかびっくりした。世の中の人そんなこと意識してるんですか?ぐるぐるぐる。

ただまあ2015年の本なので、2020年にはこうは書かないだろうなというという書き方もちらほらある。男がどうとかね。

キッカ メスメリック リップスティック 06 ルーセントレッド 口紅

キッカ メスメリック リップスティック 06 ルーセントレッド 口紅

  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品

学位がほしい(tu-tu-tu)

このところ5時寝13時起きが続いていて、昼夜逆転真っ只中だ。そもそものきっかけは友人と電話してたらやたら盛り上がってしまい朝方までずっと話していた(ずっと合コンのシミュレーションをしていた、バカなのか?)ところからなのだが、遠因としては研究室の偉い人たちが出張でおらず、霊圧を感じ取れないことにある。人を動かす力としての他人の偉大さを感じますね。 それで何をやっているかというと、

夜にパフェを食べに行く。締めとしてのパフェをやっていて、量が小ざっぱりしているのでかなりいいかんじである。

インターネット・カレーも食べる。カレーとパフェはインターネットと相性がいい。共に情報量勝負だからである。あと、大体のものはインターネットと相性がいい。

ヴァンピアーズ(2) (サンデーGXコミックス)

ヴァンピアーズ(2) (サンデーGXコミックス)

吸血鬼百合という使い古された主題ながら、丁寧な構造構成が直球で上手い。 吸血/キスという対比が綺麗すぎる。

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

理科系の作文技術 (中公新書 (624))

卒論用に読み返す。改めて見るとこれを完全にできる人はそうそういないだろうな。 それにしてもディシプリンに応じて学術共同体のあり方ってバラバラであるのに理科系でくくれるのもすごいな。 石川健治の論文なんて章立てが

  1. 問題
  2. 国家
  3. 公共
  4. 承認
  5. 身分
  6. 拘束
  7. 重層
  8. 共演 だぞ。それでも論文としてなりたっているのですごいのだが…。

「いいですか、まず研究と私生活が一致します」

©︎刑法学者兼現最高裁判事

  • プロというのはなんでもそうだと思うのだが、一流の研究者は異常な体力と精神力を並存させている。
  • そしてその研究スタイルは、おおよそその異常な体力と精神力の上に成り立っている。
  • したがって多くの人間には難しい。
  • 一流の研究者は一流の教育者であるとは限らない。
  • とりわけ人間の有限性への理解は甘い。

このようなことからさまざまなことが起きる。離脱可能性の担保は大事なことである。

一流でありながら弟子がたくさん育ったといえば、思いつくのが丹下健三井上達夫なのだが、何か共通することはあるのだろうか。一応仮説としては、示された(研究)スタイルをいかにしてずらし、自分のスタイルを作り上げるか、ということを考えた。 規範に対する事実的なものを作り上げる、相対化の環境が整っているかどうか。 丹下の場合は周囲に浅田孝や高山栄華など別の仕方を示せる人間が多かったこと、井上の場合はまああんだけ会話が好きなんだからズレも許容するだろうという感じではなかろうか。あと微妙な関心のズレとか…。再現性がなさそうな話になってしまった。そして完全な想像トークである。どうなんでしょうね?

群像としての丹下研究室―戦後日本建築・都市史のメインストリーム―

群像としての丹下研究室―戦後日本建築・都市史のメインストリーム―

逞しきリベラリストとその批判者たち―井上達夫の法哲学

逞しきリベラリストとその批判者たち―井上達夫の法哲学

  • 作者:
  • 出版社/メーカー:カニシヤ出版
  • 発売日: 2015/08/31
  • メディア: 単行本

うっすらとした風邪

ここのところ寝込んだり元気になったりが続いている。動けていてもうっすらと風邪の予感がする。Wikipediaによると風邪の治癒には7日ー10日間かかるらしい。長い。ここのところずっと調子が悪いのは全部風邪なわけである。 あんまりにもずっと風邪なので医学生にlineする、栄養と睡眠とビタミンCを取り続けると言われる。ビタミンCはなんだかんだ効くらしい。

栄養って一体何をとればいいんでしょうね?すき焼き?

うっすらと風邪だと困るのが人にうつさないか気を使うことで、というのもうっすらと風邪というのは概ね元気だからである。鍋の取り箸ぐらいはちゃんと変えるが、シーシャのマウスピースとかになるともうわからない。

それでいうともっと困るのがセックスである。災害とセックスはいつやってくるかわからないのが共通しており、共に事前の情報と対策が肝要である。ただやってきてしまうともうどうしようもない。流されるのみである。

そういえば、先日見たS/NのなかでHIV positiveであった古橋悌二HIV感染後も100人ほどと関係を持ったと言っていた。そしてそれは合意の上でのセーフセックスなので、感染させることもなかったということだった。へぇーという感じであった。

1995年でこれなので、医療の進歩著しい2020年にはHIV positiveであっても適切な医療を受けていればセックスで人に感染することはないらしいということがその時もらったチラシに書いてあった。すごいことである。

自己防衛もちゃんとできるらしい。ちょっと前に見たことがある文字列だ、PrEP…

リンクも貼っておこう。https://aidsweeks.tokyo/update/

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

そういえばこれが読みたかったのを思い出した。

卒論

卒論の時期である。すなわち卒論以外のことが捗る時期である。

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン 全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[下] (Thomas Pynchon Complete Collection)

最近寝る前にちょこちょこと読んでいる。さすが20世紀アメリカ文学のなかで最も研究されているとだけあって意味不明な勢いのある小説である。なんか薄いリアリズムを500層ぐらい重ねて無理やりV2ロケットと勃起で貫いて一つにしたような感じだ。

都現美でS/Nの上映と関連するショーを見た。ダムタイプ古橋悌二の伝説的な作品である。ようやく見れたという感。池田亮司的洗練以前の生々しさがすごいもんである。というか、ここから池田亮司が出てくるのもよくわからない。 ミナペルホネン展とダムタイプ展。いろいろ落ち着いたら知人がミナペルホネンのワンピース買うのについて行きたいという話をした。僕も買いたい。

カメラの前で演じること

カメラの前で演じること

ハッピーアワーのサブテクスト目当てで読んだ。人間の肉付けの仕方に感心する。様々なエピソードが役者たちに共有されているが、それが全く映像には出されない(しかし漂ってはくる)。

2019年正月の読書

 

方丈記 (光文社古典新訳文庫)

方丈記 (光文社古典新訳文庫)

 

 蜂飼耳による新訳がとてもよかった(彼女のことをずっともっと高齢の男性だと今の今まで勘違いしていた…)。図版がついているのもよくて、鴨長明の庵と都のほどよい距離感をよみとれる。

 

ザッヘル=マゾッホ紹介 (河出文庫)
 

 昔好きだったエッセイの影響元だったので。元ネタを知った気持ちです。これでアイロニーとかユーモアとか言えるようになるぞ!

 

カンバセイション・ピース

カンバセイション・ピース

 

 素晴らしくおもしろい。この内容に文体にいい加減、飽きそうなものなのですが不思議に飽きない。

 

カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

カルヴィーノ アメリカ講義――新たな千年紀のための六つのメモ (岩波文庫)

 

 草稿「始まりと終わり」が響きました。小説に限らない話でもあると思う(それでいいのだろうか?)。

 

完全人型

完全人型

 

愛されるための完全な機械ー完全人型を巡った複雑な三角関係。ちょっと強すぎる百合だった。整理がつかない。 百合に三角関係(あるいは三人以上の人間?)は必須という確信を強めた。

 

制度とは何か──社会科学のための制度論

制度とは何か──社会科学のための制度論

 

 制度論の手堅い定式化。表紙がかわいい。盛山和夫『制度論の構図』との比較を考えたい(これは宿題)。

 

あとは芥川賞の候補作を一通り読んでいた。クオリティとしては古市がとってもまあおかしくないだろうとは思わされた(意地でも取らせないでしょうが)。